Borrowed light
街の中に一つの灯かりが見える。
白、赤、青色が混じり、自分の目ではぼんやりと薄っすら何かが発光している様な灯かりだ。
何故か分からないがその時その三色の発行体は直接的に僕の目から入り込んできて、僕の心と調和した。
一つの灯かりをじっと見ていると、他の灯かりと区別するかの様に僕の目からは主張がその色だけ強く発光している様に感じた。
この灯かりたちの本来為すべき事は何なのだろうかと考えられずにはいられないくらい強い主張だ。
近くに行き確かめられる事も出来たはずなのだが、それをしなかった、いや出来なかった自分を後悔すべきだろう。
正しく灯かりと云うものは、本来、道路や人々の危機を感じる物事に対して安心させたり、その時の状況を認知させるものだと私は思っていのだが・・・
だが本来そうならなければいけない光が本来の意義を忘れ自己主張しているのだ。
そして、僕の精神が本来あるべき光によって不安にさせられているのだ。
自宅へ戻り、暗がりの自室で体を丸め目を閉じる時、あの灯かりが僕の頭に灯る。
僕の感覚や感情は糸がぷつりと無残にも儚く切れた。
僕は自室を出てもう一度あの灯かりを見に行かなければという強迫観念に囚われ、僕は自室を出てもう一度あのあの灯かりを身に行こうと思い立った。
一刻も早くドアを開け外に飛び出し、あの橋の近くにある灯かりに無我夢中で走り、辿り着いた。
今まで脅迫観念に囚われていた心を一旦落ち着かせ、慎重に灯かりの中心部を見たとき確かに分かった。
灯かりは白色一色に染まっていたのだ。
0コメント